歯周病は、歯と歯ぐきの境(歯肉溝)の中にプラークが侵入するところから始まります。歯周病を起こす歯周病菌はプラークの中で増殖し活動しており、歯周病菌が出す毒素の影響で歯ぐきの中が破壊されます。その破壊が歯を支える骨(歯槽骨)にまで及んだ状態を、歯周病と呼びます。骨が破壊されると、歯と歯ぐきの間には本来よりも深い溝が出来上がり、これを歯周ポケットと呼びます。また、プラークが長く付着していると一部が固まり歯石となります。歯石はプラークの足場となり、またプラークを守る防壁となります。
歯周病の治療=歯石取りという印象をお持ちの方は多いと思いますが、歯石をとる真の目的は歯周病菌の住処であるプラークを取り除くことにあります。歯石をとった後も、プラークが増えすぎないように管理する「プラークコントロール」が最も重要になります。
ブルーラジカルP-01はチップ先端から3%過酸化水素水と405nmの青色レーザーを放出します。
細菌のつくるプラークは高度なバリアですが、分子量の小さい過酸化水素はプラーク内に深く浸透します。それだけでは十分な効果は得られませんが、青色レーザーが当たると過酸化水素はヒドロキシルラジカル(活性酸素)に瞬間的に変化します。そして強力なラジカル殺菌によりプラーク内部の細菌を99.99%殺菌します。つまり、器具が届かなくても歯周ポケット内に水(過酸化水素水)と光(青色レーザー)が行き渡れば、そこに潜むプラークを消滅させる事ができます。
過酸化水素水は青色レーザーが当たっている時だけヒドロキシルラジカルになるため、治療後に残存することはありません。また、ラジカル殺菌は生体内で白血球が使用する殺菌方法であり、耐性菌の心配がなく、何度行っても効果に変化はありません。
治療に麻酔は必要ですが、普段受けている歯周病治療と同じ感覚で受けていただくことができます。
従来の歯周病治療との違い
従来の治療方法

従来の治療法(超音波スケーラー)では、歯の表面に付着した歯石やプラークに振動する器具を物理的に接触させて剥がし、水で洗い流していました。従って、器具が届かない所には基本的に効果が無く回復が難しくなります。そのような部位には、ポケット内に抗生剤を注入する化学療法や、歯ぐきを切開してめくり歯の根を直視下で清掃する外科手術が行われてきました。化学療法には耐性菌が生まれるリスクがあり、外科手術には術後の痛みや長い回復期間という大きな負担がありました。
ブルーラジカル治療

ブルーラジカル治療は従来の超音波スケーラーと同様の機能を持ちつつ、物理的に触れなくても歯周ポケット内のプラークをその場で殺菌する新しい治療法です。既存の薬剤だけではプラーク表層の細菌にしか効果がありませんでしたが、ブルーラジカル治療ではプラーク内部からの十分な殺菌が可能です。 治験では、6~7mmの深い歯周ポケットにブルーラジカル治療を行った結果、平均してポケットが5mm程度まで浅くなりました。5mm以内のポケットは普段の歯周病治療でも十分清掃出来る深さとされています。
ブルーラジカル治療のメリット
高い殺菌効果で
歯周病菌を徹底除去
ブルーラジカル治療は、3%の過酸化水素水と405nmの青色レーザーを組み合わせることで、強力な酸化力を持つヒドロキシルラジカルを生成し、歯周ポケット内の細菌を99.99%殺菌します。
短時間で効率的な治療
ブルーラジカル治療は、1歯あたり平均5分程度で完了するため、お忙しい方でも短時間で効率的に治療を受けられます。
痛みを抑えた低侵襲治療
重度の歯周病には、従来歯ぐきを切開する外科的処置が行われてきましたが、ブルーラジカル治療は非外科的な方法で行われるため、患者さんの痛みや不快感を大幅に軽減します。
外科手術を
回避できる可能性
重度の歯周病でも、ブルーラジカル治療により外科手術に匹敵する効果が期待できます。
高い安全性
ブルーラジカル治療で生成されるヒドロキシルラジカルは、治療後即座に消失するため副作用のリスクが低く安全性の高い治療法です。
また、薬剤耐性菌を生まず、その場で殺菌するためポケット内に散乱した細菌が血管内に侵入しにくいというメリットもあります。